独立系SIer(売上高1,000億円超)
生成AI活用拡大に向けた事業方針策定支援事例
メルセネールは、売上高1,000億円超の独立系SIerに対し、生成AIの法人ライセンス導入拡大および活用浸透に向けた事業方針策定を支援した。ユーザー企業約20名への徹底的なデプスインタビューを通じて「トライアル停滞」の真因を特定し、2ヶ月間で5つの新サービスメニュー案を構想。単なるツール導入に留まらない、業務変革を主導するSIerとしての新たな事業方針を確立した。
クライアントプロフィール
| 業界 | 情報通信業(独立系システムインテグレーター:SIer) |
| 企業規模 | 売上高:1,000億円以上 |
| 支援対象 | 事業企画部 |
| 支援期間 | 約2ヶ月間 |
| 提供サービス | 生成AI事業方針策定コンサルティング |
背景・課題
クライアントである大手独立系SIerは、急速に台頭する生成AI市場への対応として、ユーザー企業に対する「生成AIの法人ライセンス」の導入・拡大を急務としていた。しかし、事業を推進する中で以下の3つの深刻な課題に直面していた。
- トライアルでの停滞と費用対効果の不透明さ 多くのユーザー企業が生成AIの有効な活用方法を見出せず、実証実験(PoC)やトライアルの段階で導入が停滞する事象が多発していた。
- 基礎的な活用方法からの脱却不足 ユーザー企業における活用が「メール文章の作成」や「議事録メモの作成」といった個人の基礎的な作業補助に留まっており、全社的な費用対効果を証明できていなかった。
- 本質的な業務改善提案のノウハウ不足 SIerとしてライセンスを拡大するためには、ユーザー企業のスタッフ部門が抱える本質的な業務課題にまで踏み込み、業務改善とセットで生成AIを提案する新しいアプローチへの転換が必要であった。
支援内容(アプローチ)
メルセネールは、表面的なシステム導入論に終始せず、ユーザー企業のリアルなボトルネックから逆算するアプローチを採用し、約2ヶ月間で以下の2フェーズの支援を実施した。
| フェーズ | 期間・手法 | 内容 |
| フェーズ1:ターゲット実態調査 | 約1ヶ月 デプスインタビュー(計約20名) | SIerとしてのターゲット顧客の実態を掴むため、以下の2つの対象に対して徹底的なヒアリングを実施した。 ① ユーザー企業のスタッフ部門に対する「業務負荷調査」 単なる「業務負荷の把握」に留まらず、「なぜ業務負荷が解消しないのか」「なぜ生成AIが個人の基礎的活用(メール等)に留まるのか」を深掘りし、業務プロセス上の活用阻害要因を特定した。 ② ユーザー企業のDX推進部門に対する「実態調査」 「DX推進部門のリアルな困りごとは何か」「なぜ全社的な浸透や費用対効果の証明に苦戦しているのか」という、推進側の組織的ボトルネックを可視化した。 |
| フェーズ2:事業方針策定 | 約1ヶ月 事業方針 検討 | フェーズ1の多角的な調査(現場スタッフ視点×DX推進者視点)で得られたファクトを基に、ユーザー企業が直面している課題構造をモデル化。SIerとしてどのような価値を提供すべきか、具体的な事業方針とサービスメニューの骨子を策定した。 |
成果・効果
定量成果
- 新サービスメニュー案の構築: 調査結果から得られたリアルな顧客ニーズに基づき、短期間で約5つの新サービスメニュー案を具体的に構想・策定した。
- 顧客インサイトの獲得: 約20名のデプスインタビューを通じて、生成AIの浸透を阻む要因を構造的にパターン化した。
定性成果
- 「ライセンス物販」から「業務変革コンサル」への方針シフト: 単なるライセンス販売ではなく、顧客の業務プロセス自体を変革するSIerとしての新たな事業方針と共通認識が、事業企画部内で強固に形成された。
- ファクトベースでの意思決定: 曖昧な市場予測ではなく、実際のターゲット顧客の「困りごと」という確固たるファクトを基にした、スピード感のある経営判断が可能となった。
クライアントの声
「生成AIの登場というパラダイムシフトに適応できるかどうかが当社の命運を分けると考えていました。外部の知見を借りながら、ファクトをもとにディスカッションし、今後の方針を決めるという、長らくやりたかったことがメルセネールと出来たことが非常に良かったと感じています。現場のリアルな課題が見えたことで、自信を持って次の事業展開へ舵を切ることができます。」
—— クライアント企業 事業企画部 責任者
8. 担当コンサルタントコメント
メルセネール シニアコンサルタント
「生成AI導入の本質は、単なる作業の効率化ではなく『業務変革』そのものです。メールや議事録の作成といった個別作業の補助に留まる限り、企業としての本質的な費用対効果は生まれません。重要なのは、生成AIの活用を前提とした業務プロセスそのものへと組み替えていけるか、そしてその高度な変革支援をSIerが主体となって提供できるかです。本プロジェクトでは、徹底したデプスインタビューにより、顧客の『浸透しない真因』を泥臭く掘り下げました。このリアルなファクトがあったからこそ、綺麗事ではない、クライアントの強みを活かした次なる事業方針が策定できたと確信しています。」