メンタリングが新規事業も推進者も育てた。パナソニックが伴走者にプロメンターを選んだ真意

メンタリングが新規事業も推進者も育てた。パナソニックが伴走者にプロメンターを選んだ真意

  • 新規事業創出に向けたビジネスコンテストの運営において、限られたリソースの中でより良い成果を求めるためにメルセネールに相談
  • 「クライアントに寄り添った提案」「リーズナブルな価格帯」「メンターの質」を決め手に依頼
  • メルセネールは各チームのメンターとして伴走し、ビジネスコンセプト設計からプラン提案まで、事業創出に必要な様々な支援を実施。定期ミーティングやチャットでのアドバイス等を全てオンラインで行った
  • 「事業提案内容の質の向上」「事業推進者の成長・自走化」などの成果が得られた

パナソニック株式会社は、国内最大規模の電機メーカーとして、私たちの生活に欠かせない、家電、空調から食品流通、電気設備などの商品やサービスを多数提供しています。

これまでメルセネールは経営・事業の視点を生かし、新規事業創出に向けた仕組み作りと事業検討者の伴走に携わってきました。その実績が評価され、パナソニック株式会社様からメルセネールに同社が行う新規事業創出に向けたビジネスコンテスト「NEWライティング創出プログラム」の支援をご依頼いただきました。

今回は同プログラムの事務局メンバーであるパナソニック株式会社の野呂様、溝江様、矢澤様、萱場様、橋本様の5名に、依頼背景をはじめ、メルセネールがプログラムにもたらした効果を伺います

突然のスケジュール変更でプログラムの運営がピンチに

「NEWライティング創出プログラム」の概要について教えてください。 

溝江:本プログラムは、「照明が持つ新たな可能性の提案」をテーマに新規事業創出に挑む、社内公募型のビジネスコンテストです。ライティング事業部に所属する社員がテーマリーダーであれば、他事業部の方でも参加できます。 

運営母体となる事務局は、ライティング事業部の社員を中心に、社内で別業務を掛け持ちしながらの「社内複業」として参加しているため、プログラム専任の社員はいません。現在は、発起人の野呂さんを筆頭に、約6名のメンバーでプログラムの全体設計から進捗管理、宣伝広報と役割を分担しながら運営しています。  

本プログラムは今年で何年目を迎えましたか? 

溝江:2022年度の開催で4年目を迎えました。パナソニックでは本社やホールディングス、有志などにより、さまざまな新規事業創出のためのプログラムが開催されていますが、私たちのように専任者が居ない状態で、かつ事業部単体、公募形式で継続して運営しているプログラムは他にはないだろうと思いますし、ひそかな自慢でもあります。 

 本プログラムの設立背景について教えてください。 

野呂:本プログラムの誕生は2018年に遡ります。ちょうどその頃、「NEWライティング」という言葉が社内で使われ始めました。顧客の価値提供へつなげるためにも、NEWライティングにパナソニックなりの新しい定義を産み出すミッションが僕たちへ与えられたのです。 

(野呂様) 

野呂:ライティング事業部をはじめ、さまざまな事業部の社員と議論を重ねるなかで、「単に照らすだけの明かりではなく、さらに何かプラスαの付加価値を提供できること」がNEWライティングの新しい定義としてまとまりました。言葉の議論だけで終わらせないために、NEWライティングに関わる商品を増産したり、広めていくための工夫や手立てを考えたりする一環として誕生したのが、本プログラムです。 

メルセネールへご相談いただいた背景とそのきっかけになった「当時貴社が抱えていた課題」について、簡単に教えてください。 

矢澤:2021年に入り、事業部からの要請で、急遽プログラムスケジュールが変更となりました。開催から3年目を迎えたこともあり、プログラムを今以上に充実させるためにも、よりよい成果を求めて壁打ちの頻度やメンタリングの質を高める必要性を感じていました。 

ただ、これまでお願いしていた社外の方は工数や期間的な負担から、今以上のご相談は正直難しい状況でして……。外部の力が必要というのは事務局としても分かっていたので、新規事業創出やメンタリング専門の企業に何社かお話を聞いて回っていました。そのときにお声がけした1社がメルセネールです。 

溝江:期間はもちろん、社内人材の確保という意味でも辛い時期でした。私たちが運営するプログラムは専任の担当者がいないため、社内複業から人材を補っています。ただ、限られた時間の中で人材を集め運営していくのは大変ですし、事務局側の調整負荷も大きかったので、経験豊富なプロのメンターの方々に力を借りられないかと画策していました。 

決め手は型に縛られない提案とコスト

メルセネールに依頼した決め手を教えてください。 

矢澤:既成のパッケージを提案したり、研修的な教育面にスポットを当てたりするのではなく、パナソニックのやりたいことに寄り添った提案をしてくれたからです。新規事業の創出支援やそれらのメンタリングを提供する会社に比べ、コスト面がリーズナブルだったのも決め手の一つになりました。

(右奥:矢澤様) 

 溝江:確かに、矢澤さんはメルセネールの話を聞いてから「この会社にしましょう!」と事務局内でも猛烈にプッシュしてましたよね。当時、内々に、プログラム卒業後のテーマの支援も検討していました。諸般の事情で結局なくなったのですが、新しいものの支援と、途中からのもの支援と、状況に合わせて個別に提案いただいたのは印象的でした。 

野呂:両名からメルセネールの話を聞いた際「この会社なら任せられる」と即答した記憶があります。新規事業創出を支援する企業の中には、既にある雛形を改良した提案を行い、型にはめたプログラムへ誘導しようとするケースが少なくありません。メルセネールは我々のやり方を尊重し、それに併せた提案を切り出してくれたため、お願いできると思いました。  

メルセネールがメンバーの一員に加わることで「期待していたこと」を教えてください。 

溝江:期待していたことは、プロに入っていただくことによる、プログラム全体のクオリティ向上です。各社提案時はポジションの高い方がご説明に来てくださるのですが、実際の支援になると経験の浅い若手が派遣されるケースは少なくありません。メルセネールの場合、提案時に来てくれた経験豊富な取締役級のメンバーがそのままメンターとしてメンタリングにも参加してくれるため、クオリティを担保できる安心感がありました。 

矢澤:私は、各チームが検討する内容のブラッシュアップを期待していました。私たち事務局メンバーは、本職で新規事業に携わっている人ばかりではありません。毎年このプログラムを続けることを考えると、当然成果も求められてきます。少しでもプログラムに参加した人が提案する事業内容の精度を高めた上で、卒業してもらえることをメルセネールには期待していました。 

第三者として伴走してくれたことが参加者を支えた 

メルセネールの支援内容について簡単に教えてください。 

溝江:本プログラムでメルセネールにお願いしたキーワードは「伴走」です。本プログラムは予選会、選考会とステップ形式で進みます。そのためメルセネールには予選会から各チームのメンターとして入っていただき、定期的な壁打ちミーティングやTeamsを用いたチャットでのアドバイスなどを通し、ビジネスコンセプトの設計、モデルの開発、プラン提案など、新規事業を考える上で必要な支援を行っていただきました。チームによってはメンバーが遠隔地にいるケースやコロナ禍ということを考慮し、メンタリングも含め、全てオンラインで実施してもらいました。 

(溝江様) 
本プログラムを実施する中で、運営の皆様が特に大変だったことや苦労されたことを教えてください。 

溝江:2021年度で言うと、短期間での運営とその準備は大変でした。スケジュールがタイトなこともありプログラム参加者は特に大変だったと思います。一方で、事務局側も決められた発表日までにプログラム全体のクオリティを高めないといけないというプレッシャーがありました。 

矢澤:確かにプログラム参加者、特にテーマリーダーとなる、テーマ推進者のモチベートは毎年大変ですよね。 

プログラム参加者の皆様が苦労されていたのはどのような点でしょうか? 

橋本:新規事業の進め方や考え方が既存事業における解決策と違う点です。既存事業の業務では、問題が起これば早く解決するためにも最短距離で片付けようとしますが、新規事業はそういう考え方で進めるものではないと悩まれている方が多かったです。メルセネールのメンターは、メンタリングやチャットを通して、新規事業ならではの違いについて解説しつつ、参加者がそれぞれ持っているアイデアに寄り添いながら、自分自身で気が付いてもらえるように問いかけていました。 

 萱場:そもそも、新規事業に対する考えがインストールされていない中でどのように進めたらいいのかに悩んでいる方は多かったですよね。だからこそ、社内と適度に距離感があり、かつ第三者の有識者としてメルセネールが手ほどきしてくれたのは大きかったと思います。彼らが伝えてくれるからこそ参加者も素直に聞き入れられるからです。私たち事務局や社内の経験者がメンターとして伴走しても、超えられない壁だったのではないかと個人的には感じています。 

萱場さんから見た、第三者的な立ち位置でメルセネールがメンターに加わったことによる利点を教えてください。 

萱場:いろいろありますが、特にプロとしての凄さを覚えたのは、各人に対するフィードバックです。過去に私も参加者の皆さんへフィードバックを出していましたが、相手に合わせて内容を伝えるのは相当根気のいる作業でした。 

例えば、ユーザーインタビューのフィードバックです。メルセネールのメンターは、インタビュー実施前に、それぞれの経験や課題に合わせ、設問設計やヒアリングに向けたマインドセットを手ほどきしていました。もちろんそれでは終わらず、インタビュー後も、記録や反省を踏まえ、次回に向けた改善点や提案を丁寧にやり取りされていました。相手に合わせたカスタマイズを行う姿に「プロならでは」と感心した記憶があります。 

障壁となっていた外部インタビュー。的確な支援とフィードバックで苦手克服に成功 

本プログラムにメルセネールが参加したことによる成果を教えてください。 

溝江:メルセネールに参加してもらった2021年度の最終選考会後、事業部長からの総評で「課題の発見や特定を含め、総じて今年度の参加者は私たちの期待値を超えてきた」というコメントがありました。この一言を聞いた時に、条件が厳しくなった中でもプログラムを形にできたと実感し、小さくガッツポーズしました。そこにメルセネールの加入が大きく寄与していたと思います。 

野呂:メルセネールが加わったことでテーマ推進者の行動起点を作ることができました。全チームがそれぞれの課題を深掘り、一定のレベルまでブラッシュアップし、年度末の発表に結びつきました。確実にプログラムのレベルは上がったと思います。 

萱場:これまで、プログラムのキックオフ直後は盛り上がるけど、リサーチはネットのみで、外へ情報を取りに行けないチームもありましたし、全体的に初動が悪かったように感じました。メルセネールはオンライン形式のメンタリングでもホワイトボードを使いながら、ユーザーのイメージを構造化し、全体像を各チームに説明していました。例えば「一丁目一番地としてはここら辺からアプローチしたらどうか」というように、より具体的に誰に聞くべきかまでをアシストしていました。それがあったからこそ、各チームが外へインタビューにいく所まで持って行けたと思います。 

プログラム参加者にとって、外部の方へのインタビューはそんなにハードルが高いことなんですか? 

橋本:はい、本プログラムの参加者は開発の方が多いのですが、外部へインタビューする機会が仕事の中でほぼありません。そもそも関わりの薄い方へ声を掛けること自体無いため、プログラム参加者の中でも「インタビューは苦手」と仰る方が大半でした。そのためインタビューへ出向くこと自体が一つの壁となっていたんです。 

(橋本様) 

橋本:メルセネールからのインタビューフィードバックやフォローを通し、この壁を突破できたことが、本プログラムに参加して良かった理由の一つと参加者から言われたことがあるぐらいです。まさにメルセネールに後押ししていただいたおかげですね。 

萱場:メルセネールからインタビューの相手としてマッチしそうな方を紹介してもらえたことも、プログラム参加者としてはありがたかったと思います。 

溝江:「僕らにインタビューしてもらってもいいですよ」と言っていただいたこともありましたね。 

矢澤:そう言う意味でもメルセネールは柔軟性のあるチームですよ。 

矢澤さんが、他のコンサルにはないメルセネールの柔軟性を感じたのはどんな場面でしょう。 

矢澤:特に柔軟性を感じたのは、どのツールでやり取りを進めるかについて、各社と話していたときです。企業によっては、その会社が普段から使うチャットツールの導入を促してきます。ただ、セキュリティ面や参加者の負荷を考えると、現実的ではない提案だと私は感じました。 

パナソニックに限らず、大企業の場合、一つのシステムを導入するだけでも、大変な時間と労力がかかります。大企業との業務経験が豊富なメルセネールはその点を理解しており、「皆様が扱いやすいツールや方法で進めましょう」と言ってもらえたのはありがたかったです。 

メンタリングの主役はプログラム参加者 

事務局の皆様から見て、メルセネールのメンタリングはどのように映っていましたか? 

萱場:メルセネールが行うメンタリングは、主役がプログラム参加者なのは、素直にすごいなと思いました。別の社内プログラムで、他社のコンサルタントや有識者からメンタリングを受けましたが、メンターが主役になるケースが大半だったからです。 

どのあたりからその様子が見て取れましたか? 

萱場:まず、会話の仕方です。参加者の話をしっかりと聴き、思いや言葉を引き出していました。受け手に合わせ、言葉や伝え方を変えているのはもちろん、メンタリングの終わり際の雰囲気も印象的でした。「困ったらいつでもおいで」という気持ちをメンターが残しつつ、そっと引いてくれているんです。「じゃあ、あとは自分たちで頑張って」と突き放すことはなく、あくまでも参加者が主役だからこそそういう引き際になると思いました。 

(萱場様) 

矢澤:私も過去に他社が主催するプログラムでメンタリングを受けた経験がありますが、プレゼンに対する批評を受け、改善していくというスタイルでした。そう言う意味では、伴走してくれているという安心感がメルセネールのメンタリングにはあります。 

 溝江:あと、出来なかったことを参加者の宿題にしないですよね。出来ていなかったら、そこから掘り起こすみたいなスタイルで進められているので、参加者としても取り掛かりやすかったと思います。 

メルセネールはメンタリングにおいて「想いとビジネス性のバランス」「気付きと後押し」「柔軟性」「信頼感の醸成」の4つをテーマに掲げています。野呂さん、溝江さんから見て、これらを感じる場面はありましたか? 

野呂:気付きと後押しというところでは、参加者の自主性を第一に置いていただいている様子から見て取れました。どのチームのメンタリングを見ていても、会話の仕方や話しの内容に表れていたからです。 

溝江:確かにメルセネールのメンターは、「プログラム参加者がどうしたいのか?」という想いを常に優先してくれていました。「決めたからには最後までやりきりましょう」と相手を励ましつつ、最後まで伴走してくれたのが印象的でした。きっとメンバーは嬉しかったと思います。一方、新規事業という何が正解かが分からない中で、相手の自主性を重んじたり、気付きを与えつづけたりするのは並大抵のことでは無いはずです。こうした姿勢の随所にメルセネールの忍耐強さを感じました。 

「成長やプロセスも含め、このプログラムのファンになった」3年間見続けてきた経営幹部が寄せる想い

今回実施したプログラムに対し、参加者の皆様からはどのような声が届きましたか? 

萱場:私が特に印象的だったのは「ただの研修ではなく、本気で事業をつくろうとしているんですね」という言葉です。どうしてもこうしたプログラムは研修みたいに扱われがちで「1年間やっても、パパッと終わるんでしょう」という意識の方は少なくありません。メルセネールがプログラム参加者に寄り添う本気の姿勢を感じたからこそ、ただの研修ではないと参加者が感じ取ってくれたのだと思います。 

 矢澤:「話が分かりやすく、些細な困りごとも含め相談をしやすい」という声もよく聞きます。私が初めてメルセネールを知ったのは外部セミナーで代表の大道寺さんの講演を聞いた時でしたが、その時に分かりやすい話をする方だなと感じ、今回お声がけをしたんです。大勢の前でも、メンタリングのような少数と向き合う場面でも、話が分かりやすいのはもちろん、相手と向き合うスタンスは変わらないと実感しました。 

 橋本:本プログラム以外にも、社内セミナーを3回ほどメルセネールにお願いしましたが、そこでも話の分かりやすさが好評でした。1回目に参加した人が2回目にも参加したり、他の人に参加を促したりしていたぐらいです。 

評価対象者の経営幹部の皆様からはどのような声が寄せられたかを教えてください。 

溝江:私が一番印象的だったのは、懇親会で聞いた参加者と経営幹部との会話です。経営幹部がある参加者に対し、プログラムの感想を聴く場面がありました。そしたらその参加者がプログラムに参加して良かった理由を延々と語り出したんです。この話を聞いた経営幹部が「メンターのような方が上司だったらいいんだろうね」と話していたのが印象に残りました。柔軟なコミュニケーションを図られていることを感じていただけたのだと思います。参加者はもちろん、活動を見ている人にプログラムの良さを認識されるのは嬉しい限りです。 
 
野呂:他の経営幹部からも「参加者の成長が大きく見られたし、内容に関してもある程度のところまで引き上がっている」という評価を受けています。3年間、本プログラムを見続けている幹部の中には「成長やプロセスも含めて、このプログラムのファンになった」と話す方もいるぐらいです。 

メルセネールを薦めたいのは「課題が分からない」「具体的なアドバイスが欲しい」企業とその担当者

(※撮影時のみマスクを外しております) 
今後もご支援を継続させていただく中で、メルセネールに期待するのはどのようなことでしょう? 

溝江:このプログラムでは新規事業に挑戦したい人を集める一方で、事務局のような裏方で参加してくれるメンバーも増やしていく必要があります。そのためには事務局側がモチベーション高く、活動している様子を発信することも重要だと考えています。プログラム参加者はもちろん、通称の業務+αの中で支援事業に取り組みたいと手を上げてもらうにはどのような仕掛けやコンテンツを提供したらいいのかなど、伴走しながら鍛えてもらえると嬉しいです。 

今回の支援内容を踏まえ、どのような企業に対しメルセネールを進めたいと思いますか?薦めたいポイントも交え、お伺いできますと幸いです。 

野呂:明確に課題認識がある場合も良いと思いますが、「課題が分からない」「具体的なアドバイスが欲しい」と考えている企業や担当者の方にこそお薦めしたいです。メルセネールは顧客ニーズにあったカスタマイズや伴走力の高さ、何より自分たちがやりたいことに寄り添っていただける力強さを持ちます。安心して分からないことが相談できるはずです。 

矢澤:想いに寄り添う柔軟性の中に力強さを持つからこそ、「何としてもプログラムをやりきりたい」と思う担当者や企業に対し、私はメルセネールをお薦めしたいです。 

新規事業創出に向けた仕組み作りとその機会提供に悩む企業とその担当者に向けて、皆様から今後進める中で意識するとより良くなるポイントもしくはアドバイスを野呂さん、溝江さんから一言ずつをお願いします。 

溝江:​​私たちはこのプログラムを進める中で、何が会社としてメリットになるのか、どうしたら皆が賛同してくれるのかを考え、事務局内で話し合いながら、言語化している最中です。そういう意味では、自分で語れる人がたくさんいる事務局は強いと思います。新規事業の創出は、仕組みからだと思います。最初はお祭りになるかもしれませんが、長い目で捉え、常に自分たちがどうしたいかという目標を心の中に持つことが必要ではないでしょうか。 

 野呂:僕らが手がけているのは単なる事務局の仕事ではなく、プログラム自体が社内における新規事業だと思っています。そう捉えると、本プログラムのお客様は誰で、どんな困りごとがあるのかを理解しなくてはなりませんし、何が必要かを模索しながら実践していくことが求められます。応募者、経営層などに何を提供できるかを考え、ブラッシュアップしていくことで、結果的にプログラムは長く続き、成果も上がるはずだからです。「それをやらなあかん」と自分に言い聞かせながら日々行動しています。 

 そのために大事なのが、本プログラムを通し、ありたい姿の共通認識を事務局メンバー全員が持つことです。各人が腹落ちするまで議論し、それぞれが実現したい将来や情熱に置き換え、行動できるまで落とし込む必要があります。そこでポイントになるのが、楽しんでやることです。メンバーがしかめっ面で、苦しい顔をしてやってても、プログラムに参加したいと思わないでしょう。僕らが挑戦している後ろ姿を、プログラムに来た人たちに「こんな風にやりたい」と思ってもらいたい。背中で語るではありませんが、常に自分の行動で示したいと思い、本プログラムに向き合っています。 

皆様、ありがとうございました。 

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