4事業10領域の調査分析を実施。中期経営ビジョン策定に向け、なぜJR東日本都市開発が伴走パートナーを求めたのか

4事業10領域の調査分析を実施。中期経営ビジョン策定に向け、なぜJR東日本都市開発が伴走パートナーを求めたのか

  • 【導入の背景】
    中期経営ビジョン策定に向け、第三者の視点からの構想・検討およびその評価のあり方をメルセネールに相談
  • 【導入の決め手】
    「要件定義からの伴走が可能」「コンサルタントの質」「プロジェクトへのコミット」を決め手に依頼
  • 【得られた成果】
    ・4事業10領域に対し調査・分析を実施。中期経営ビジョンの土台となる報告書を作成し、策定に貢献
    ・ファシリテーターとして終始プロジェクトをリードし、より良い議論や意思決定を促進

株式会社ジェイアール東日本都市開発は、JR東日本グループのデベロッパー企業として、JR東日本が所有する鉄道用地の管理、高架下や駅近接用地の開発などに取り組んでいます。

これまでメルセネールは経営・事業の視点を生かし、さまざまな企業に事業の創出や見直しに必要なリサーチを実施するなかで、個別事業に留まることなく、全社・経営レベルのあり方についても創造的な提言を果たしてきました。その実績が評価され、株式会社ジェイアール東日本都市開発様からメルセネールに中期経営ビジョン策定に向けた支援をご依頼いただきました。

今回は中期経営ビジョン策定に携わる、株式会社ジェイアール東日本都市開発 経営企画部 課長 西村様、課長代理 飯塚様に、依頼背景をはじめ、メルセネールがもたらした効果を伺います。

「この会社となら要件定義から始められる」 信頼と安心感を覚えたプレゼンテーション

今回、株式会社ジェイアール東日本都市開発(以下、ジェイアール東日本都市開発)様には、中期経営ビジョン策定を進めるにあたりメルセネールにご依頼いただきました。相談のきっかけとなった、当時の課題について教えてください。

西村:前回、中期経営ビジョンを社内で策定した際、自社を客観的に分析し、現状を適切に書き出すことに難しさを覚えました。自社分析やセグメント分析に対し、バイアスがかかっていることを、作成中に自覚したからです。そのため、今回は外部からの視点を加えることで公平な視点から中期経営ビジョンを策定したいと考えていました。

(西村様)

西村:また、作成時間が限られていたことも難しさの1つでした。前回は半年間かけて策定から資料への落とし込みを進めていきましたが、今回は2ヶ月後には役員にたたき台を提示する必要があったからです。

飯塚:私は今回の策定タイミングで異動をしてきたのですが、それまで別業務を担当していたこともあり、作成に向けたノウハウを持ち合わせていませんでした。本業務は中期経営ビジョン策定時に行われるため、基本的にそのときに所属しているメンバーで作成します。部署内におけるノウハウだけでは不十分だったため、外部の力を借りながら完成まで持っていく必要性を感じていました。

依頼の決め手は何でしたか?

西村:メルセネールであれば、他社のような単なる相談相手ではなく、課題のより深いところから伴走してもらえると思ったからです。当時、中期経営ビジョンの策定というゴールは決まっていましたが、問題意識が明確に固まっていたわけではなかったため、要件定義から動けるパートナーを求めていました。依頼にあたり複数社によるコンペを実施した際、メルセネールは事前に要した資料だけで話を進めるのではなく、ホワイトボードを使いながら議論を可視化し、相互の認識をすり合わせながら議論を進める姿勢が見受けられたことから、この会社となら一緒にプロジェクトを進めていけるという思いを抱きました。

プレゼンテーション中に自社ができること・できないことを率直に述べる姿から、安請け合いをしない会社という安心感もありました。またコンサルの場合、会社によっては同じ案件でも分業が細かくなり、窓口が複数になってしまうケースは少なくありません。メルセネールは基本的に窓口となる人物が決まっているため、仕事を進めやすいと思いました。

飯塚:担当者を占有できる時間が大きかったのも決め手の1つです。特に今回は作成までの時間が限られていたため、短期間でしっかり伴走してくれることを期待しました。

10領域の分析・調査を踏まえ、中期経営ビジョンを策定した

中期経営ビジョンの策定を進めるなか、メルセネールが行なった支援内容について簡単に教えてください。

西村:今回お願いしたのは「外部環境分析」です。現在、ジェイアール東日本都市開発は不動産開発・運営、ショッピングセンター、オフィス・住宅、物販・飲食の4事業を展開しています。当初は事業単位での分析を依頼する予定でしたが、メルセネールからの提案で、ビジネス特性ごとに事業を10領域に分類し、分析・調査を進めることになりました。
レポートを作成してもらったのは、他社動向も含めた実態調査から2030年に向けた市場全体の予測までの幅広い内容です。この報告を踏まえ、我々は中期経営ビジョンの策定に取り掛かりました。調査が隅々まで行き届いていたことから、策定に向けた社内議論は進めやすく、自社ビジネスの見直しにもつながりました。

ご支援中を振り返るなかで、メルセネールならではの施策提案や提言はありましたか?

西村:第三者視点だからこその気づきや提案がありました。我々だけで経営戦略に関する議論をしていると、どうしても業界標準に沿った判断や自社事例を元に話を進めてしまいます。メルセネールは、さまざまな業界のビジネスを経営視点から支援してきた経験を活かし、我々の判断や方針に対し適切なアドバイスをしてくれました。

私も飯塚も、長く不動産業界に関わるからこそ、これまでの慣例から当たり前だと捉えていたことは少なくありません。今回メルセネールがチームに加わったことで、事業に対し適切な事実ベースでの理解が促され、いい意味で議論を引き戻してくれたと思います。

飯塚:今、ジェイアール東日本都市開発では、根本社長の下で、「融合」をキーワードに掲げ、事業連携を進めています。4つの領域におけるそれぞれのビジネスを、領域に関係なくクロスボーダーで進めることで、より一層の成長を期待するというものです。

(飯塚様)

飯塚:元々社内では縦割りでビジネスを捉えがちでしたが、今回の調査結果から、事業同士でシェアできるノウハウやお客様・お取引先接点など、シナジーを生み出すトリガーとなる枠組みを示してもらえたと思います。ビジネス視点で事業を俯瞰できるからこそ、それぞれの業界の当たり前にとらわれず方向性を差し示せるのだと気づかされました。

経営を知るコンサルと働くことで、知らず知らずのうちに視座は引き上がっていた

メルセネールがプロジェクトに参加したことで、事業方針の検討や議論の方向性に違いは生まれましたか?

飯塚:我々の経験や知識が浅い領域について、それを補うための方法や知見をメルセネールから示してもらったことで、より深い議論につながったと思います。

例えば、私も西村もこれまでオフィス・住宅事業に携わった経験がありませんでした。メルセネールのメンバーに相談したところ、「オフィス・住宅本部の関係者に相談し、一度幹部の皆さんと話されてはいかがでしょうか?」と言われたのです。

実際に オフィス・住宅本部の幹部と打ち合わせをしたところ、これまで不明瞭だった部分への理解が深まりました。例えば、ビジネス構造を整理し、環境分析したアウトプットを元に議論をした結果、より定量的な情報をベースに意見交換を行うことができ、それぞれの幹部が関心を持っているトレンドや課題感が全体像のどこに位置するのか、深めるべき内容は何かがより明確になりました。

議論を進めるなかで、視座の変化を感じることはありましたか?

西村:自分たちも気が付かない間に、事業視点から経営視点へ、発想が自然と変わっていくのを感じていて。気づきや知見を共有するなかで、徐々に我々の視座を引き上げてくれたのはメルセネールの力だと思います。正直に言うと、気が付かないうちに観点が変化していたため、意識をしないと感じにくいかもしれません。ただ、これまで立ったことのない視点を持てたのは、大きな変化だと思います。

飯塚:我々の視座が引き上げられたのも、メルセネールの経営に対する視座が高いからこそだと思います。ビジネスの大枠を理解しているからこそ、事業をどのように持っていけばいいのか、そのためにどのような方向に議論を進めればいいのかが、メルセネールのメンバーには分かっているように感じました。全体が見えているからこそ、頼りになるファシリテーターとして、安心して議論を任せることができました。

今回、各事業部の役員へ中期経営ビジョン案を展開するにあたり、「動画」を取り入れたと伺いました。

西村:報告内容は領域ごとに文章でもまとめましたが、動画として共有することで、音声を通してより理解を深めていただけたらと思いました。動画化は初期段階から決まっていたわけではなく、話し合いを進めるなかで浮かんだ案でした。急な提案にも関わらず、メルセネールの皆さんは快諾し、限られた時間のなかで柔軟に対応してくれました。動画を視聴した役員からは「文章だけでなく、動画もあったことで見やすかった」との声が届いています。

「報告内容は納得感のある内容だった」調査結果に届いた役員からの声

資料をご覧になられた事業部の各役員の皆様、また毎回のMTGに参加されている担当役員様からはメルセネールの支援や展開資料について、どのような声が届いていますか?

飯塚:メルセネールから提出してもらった各種分析資料と動画は、各役員が2030年に向けたレポートや展望を記述する際の参考にしてもらいました。それぞれの役員は自身の領域に対し深い知見を有していますが、「検討の参考になった」「最新の傾向をキャッチアップできた」と話す役員もいたそうです。

西村:中期経営ビジョンの策定を取りまとめる担当役員からの反応も上々です。策定資料が完成した際の報告会にも役員は出席していますが、「メルセネールの報告は納得感のある内容だった」と話していました。

―メルセネールが中期経営ビジョン策定に参加したことで、前回よりも精度が上がった と感じる部分はありましたか?

西村:自分たちがこれまで感じていた内容に対する裏付けができたように感じています。また、議論や検討の精度も高まったと思います。

飯塚:ビジネスごとに分析・調査を実施したことで、より注力すべき事業が明確になりました。ビジネスに知見を持つ第三者の分析や意見だからこそ、社内に調査結果を展開しやすかったです。業界における最新の事業トレンドなどを踏まえ、事業の選択と集中に向けた議論を切り出すきっかけにもなりました。

― お2人から見て、中期経営ビジョン策定の早期段階から経営視点での議論が可能なコンサルタントが伴走するメリットは何だと思いますか?

飯塚:ファシリテーターを任せられる点です。我々、経営企画のメンバー間で議論をしていると、どうしても内向きになりがちです。そのため、ゴールを設定するときにブレてしまってしまうことも。今回メルセネールの参加により、議論の時間が区切られ、アウトプットの質も高められました。

西村:議論を進めるなかで、メルセネールのメンバーは必ずドキュメントに残してくれます。必要に応じてその内容を確認、補足しながらプロジェクトを進められたため、議論が進めやすくなったのは間違いありません。

川上から川下までを伴走できるパートナーでいてほしい

引き続きメルセネールは中期経営ビジョンの社内外展開プロジェクトにも携わります。今後のメルセネールに期待する点を教えてください。

西村:お互いにどんどん提案しあえるような関係になっていきたいですね。経営戦略づくりはスタートにすぎないと思っていて。川上から川下までを伴走してくれるパートナーとして、我々が苦しんでいる部分の力になってくれると嬉しいです。

飯塚:これまでに、デザイナーやコピーライターなど、プロジェクトに応じて我々とマッチしそうな人材をご紹介いただきました。さまざまな専門領域の方とのつながりを持っているメルセネールだからこそ、引き続き、我々と専門領域の方々との橋渡しになってくれることを期待しています。

ここまでの取り組みを振り返り、どのような企業や担当者に対し、メルセネールを進めたいと思いますか?

西村:「どこから着手したらいいかが分からない」と感じている方は、一番初めに相談すべき会社だと思います。今回依頼して特に良かったと感じたのは、具体的な要件定義や取り組みを決めていない状態であってもお願いができたことです。会社の組織規模によっては、我々のように経営戦略策定を専任するのではなく、他業務も並行させている方は少なくないと思います。各社の現状に合わせて相談、プランのカスタマイズが可能なのもメルセネールの魅力です。

飯塚:取り組みたいことを言語化するのが苦手な方にもメルセネールは合っていると思います。チームや担当者の気持ちを汲み取りながらも、ファシリテーターとして議論を進め、進むべき道を示してくれるからです。

全社レベルでの戦略や中期経営計画の策定に悩む企業に、メッセージをお願いします。

飯塚:経営戦略に取り組む上で、将来を見据え、会社がどのように変わっていくかを常に想像することが求められます。時にはひらめきが必要な場面もあるでしょうし、各部署との折衝に苦悩する場面もあるかもしれません。メルセネールなら、そんな皆さんにきっと寄り添ってくれるはずです。

西村:企業規模が大きくなるほど、「なぜこのビジネスをやらないといけないのか?」という目的を見失いやすいと思います。メルセネールは戦略レベルにまで取り組みを落とし込み、ドキュメントにしてくれる会社です。戦略や中期経営計画の策定を進めるなか、彼らとのやり取りに我々の議論は支えられました。今後も取り組みを支えてくれることに期待していますし、ぜひ、皆さんもお困りの点がありましたら一度ご相談をされてはいかがでしょうか。

お2人とも、ありがとうございました。

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